もも

桃を頂いてうきうきしながら少し冷やそうと冷蔵庫にしまった。
そしてそのままちょっと昼寝をしたところ、桃を食べる夢を見た。

桃色の桃に顔を寄せてまずは芳醇な匂いを堪能して産毛がざりざりする皮を潰さないように優しくむく。
そのたびに浮かび上がっては零れ落ちる果汁に唇を付けて吸い上げる。
丸ごと噛り付けば、ねっとりとした甘みが口いっぱいに広がってとろりとした汁が腕を伝ってこぼれていく。

美味い夢だった。
起きたら味は覚えていなかったんだけど、その後に実際に食べた桃より夢の中の桃のほうが美味かったんじゃないかと言うような気がする。
それでも桃は美味かった。
私は桃のために生きていると言ってもいいんじゃないかと思う。

西瓜と桃は人類の至宝だ。
中国系の物語で桃が神秘の食べ物になるがよく分る味だ。