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 今年の正月は泣いた。
 往路はたしか順天堂だっただろうか。

 途中棄権してしまった駅伝の選手の、走る事への執念。強い思い。
 全身が痙攣し、思うように動かない自分の体。
 もうあんなんじゃ走れやしない。
 それでも立ち上がろうとする。
 転んで、膝を打って、立ち上がって。
 走った。
 ほんの僅かでも走った。

 委員会の人間や監督が止めようと近寄れば、来るなとでも言うかのように走った。
 ゴールはすぐそこだ。
 あと少し走れば、歩いてでも進めば、襷は繋がる!
 あの時あの人に何処まで意識が残っていたのかわからない。
 あれだけ酷い全身痙攣を起こしていてまともに意識があったのかどうかも判らない。

 監督に捕まれとめられた彼の横を一人の選手が駆け抜けていった。
 その選手は数分と無くゴールに着いた。
 ほんの、数百メートルだった。

 悔しかろう。
 悔しかろう。
 言葉に出来ぬほどに悔しかろう。
 走る事は一人だ。
 だが駅伝には仲間が居る。
 仲間達へ襷を繋げなかった事が彼にはどれほど悔しかろうか。

 テレビの向こう側に居た彼の膝はぼろぼろだった。
 アスファルトに打ち付けて赤くなり、傷になり、ああ――それこそキミの、勲章だ。

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